だが、アメリカは中国と戦争する気はない。
何のメリットもない戦争である。
だから、日本政府からの出動要請に対して、「尖閣を日本が実効支配していることは認めるが、領有権については日中どちらの立場にも与しない」と答えるだろう。当然である。
日本領土ではないところでの戦闘であれば、日米安保条約の発動要件を満たさない。だから、米軍は動かない。
だが、これで米軍が動かなければ、日本国内の世論は一気に「反米」に振れる。
日米安保条約は「空文」だったということだからである。
68年間われわれは米軍に「無駄飯」を食わせてきたのだ、ということになる。
安保条約即時破棄、日米同盟解消という大衆的世論はもはや押しとどめることができない。
このとき、アメリカは1853年のペリー浦賀来航以来150年にわたって、アメリカ青年たちの血で購ってきた東アジアの「要衝」を失うことになる。
「ウルトラナショナリスト」たちの軽挙妄動によって同盟関係を毀損されることはアメリカの望むところではない。
だが、日本の政治家たちをあまりに長きにわたって「対米従属」下に置き、彼らに自主外交を許さず、国防についても、安全保障についても、エネルギーについても、食料についても、「指示」を下してきたことで、アメリカは結果的に「自力で外交戦略を考えることのできない国」を作ってしまったのである。
その中から「アメリカの国益を配慮しているつもりで、アメリカの足を踏む」とんちんかんな政治家たちが輩出してきてしまった。
今アメリカは深い悩みのうちにいる。
もし、これでアメリカがつよい指導力を発揮して、安倍一派を抑え込み、「ウルトラナショナリスト」の跳梁を阻止したとしても、それはますます日本という国の「自浄能力」「自己修正能力」を損なうことになる。
「困ったことがあったら、最後はアメリカが尻を拭ってくれる」から、自分では何も考えない、何も判断しない、何も改善しないで、ぽかんと口を開けてアメリカの指示を待つという国民性格がさらに強化されることになる。
つまり、ここで強い指導力を発揮して日本政府の方向性を「修正してあげる」ことで、アメリカは「日本というリスク」をさらに高めることのなるのである。
損害賠償に関する交渉や訴訟で、ITベンダーがユーザー企業に対し、「障害の原因はともかくとして、検収がなされているので、当社には責任はありません」と反論することが珍しくない。ユーザー企業から、「検収をしたということは、納品物に問題がないということを認めたことになるので、もはや損害賠償を請求できないのでしょうか」
という相談が持ち込まれることもある。
もちろん、検収したからといって債務不履行や瑕疵担保の責任が消えてなくなるわけではない。そのようなことは、法律のどこにも定められていないので、ユーザー企業のみなさんは安心してほしい。
「検収をすると損害賠償などを請求できなくなる」ことの根拠として、商法526条が引用されることがある。企業間の売買についての規定で、「(1)買い主は目的物を受け取ったら遅滞なくその物を検査しなければならず、目的物の瑕疵か数量不足を発見したときは、直ちに売り主にそれを通知しないと代金減額や損害賠償を請求できない「(2)瑕疵が直ちに発見できないものでも、買い主が6カ月以内に瑕疵を発見した場合は(1)と同様とする」、といった内容が定められている。
しかし、これは「売買」に関する規定であって、システム開発のような請負や準委任に関するものではない。また、6カ月というのは、「その期間内に瑕疵が発見されたときはすぐに売り主に通知しなければならないという期間」である。「6カ月より後に瑕疵が発見された場合は損害賠償を請求できない」ということを定めたものではない。
では、システム開発における検収とはどのような意味を持つのかというと、「ITベンダーが報酬を請求する前提条件」と位置づけられている、実務上の手続きの一つにすぎない。納品物の重要部分が未完成のような場合は、報酬の請求に応じるわけにはいかない。そこで「納品したものを確認しました。重大な問題はなさそうなので、請求書を発行していただいて結構ですよ」という段取りを踏む必要があり、それが検収であるのだ。
成果物を確認する行為ではあるものの、「債務不履行に当たる問題がないことを徹底して検証しました」という意味までは含まれていない。そのため、検収したからといって、システムの不具合により生じた損害の賠償を請求できなくなるということはない。
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